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次世代の電力網

スマート○○という言葉を近年、とても多く耳にするようになりました。スリムという意味合いではなく、”賢い”という意味で用いられることが多いでしょう。
電気に関連した言葉で、“スマートグリッド”というものがあります。これは英語にするとSmart Grid(賢い電力網)と表されます。次世代の電力網と呼ばれることもしばしばあるようです。
それでは、具体的にこのスマートグリッドがどのようなものなのかを説明していこうと思います。

スマートグリッドはもともとはアメリカの政策からきているのですが、現状、発電所から一方的に私たちの家庭に電力を供給しています。これはエネルギーロスが多く、送電設備そのものが自然災害などに大きな影響を受け、電力の復旧に時間がかかると言われています。

一方で、送電をおこなう拠点を分散させることで送電によるエネルギーロスを減らすとともに、電力を双方向でやりとりすることができるという考え方が、スマートグリッドと言えるでしょう。

スマートグリッドのメリット

スマートグリッド導入メリットとしては、需要と供給のバランスがとりやすくなり、電力の需要に応じた供給が可能になることでしょう。電力会社と消費者との間で双方向で電力のやりとりができるという点でもメリットは大きいかと思いますし、電力網が停止した際でも電力の安定供給を実現することができるのです。

また、昼間あまり電力を消費しない場合は昼間の消費電力を電力の消費が増えたり電力が不足する夜間に活用するピークシフトが有効なうえ、スマートメーターに代表されるIT技術の活用によって電力供給そのものが、さらに盤石になると期待されているのです。

太陽光発電などの再生可能エネルギーを電力自由化に参入に伴って掲げている企業も多いため、スマートグリッドによって再生可能エネルギーが当たり前の社会に近づいていくでしょうし、エネルギーを選択できるという、電力自由化の考え方にも即しています。

スマートグリッドのデメリット

そんなスマートグリッドにも当然、デメリットは存在します。ネットワークを利用して情報の通信がおこなわれるため、ウイルスや第三者による不正なアクセスなど、セキュリティ対策での課題は残ります。また、仕組みが非常に複雑となり、消費者への徹底した情報提供は必要不可欠とされるでしょう。

すべての家庭でこれを実現しようとすれば、長期的な計画になり、さまざまなコストの負担は避けられません。


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