目次

日本の電力はミックスされていた!?

福島第一原発での原子力発電所事故がきっかけとなり、日本国内では発電所の安全性や原子力の代替となるエネルギーの選択、その可能性について、専門家などの間で数多くの議論がなされてきました。
実は、福島第一原発での震災以前から必要なエネルギーを日本は海外からの輸入に依存してきた背景もあり、エネルギーの自給率は世界から見ても低い水準にあるといえます。
日本で生産されるエネルギーはけっして単一の発電方法で賄われているわけではなく、原子力・火力・水力・風力などのさまざまな発電方法によって得られた電力を、混ぜ合わせて消費していることはご存じだったでしょうか?

発電方法によって、それぞれ特徴や安全かつ安定して発電するため方法が異なってくることもあり、電力はいくつもの方法をミックスして賄われているのです。これを“エネルギーミックス”と呼びます。

原子力発電の代替電力

現在では原子力発電で発電されるはずだった電力は火力発電によって補てんされていることもあり、総発電電力量のうち火力発電の割合が大部分を占めています。

電気代の値上がりなどのニュースをよく目にしますが、火力発電の燃料となる石炭や天然ガスなどの価格が円安などの理由から高騰し、産業用のみならず一般家庭向けの電気料金の値上げの要因となっているのです。

電気は休めない

電気は季節や気候、時間帯などによって必要な電力量は変化していきます。自然災害や停電などの不測の事態にも対応しなければなりませんし、電力は銀行に預けてあるお金のように溜めておいて、必要になった時に引き出すといったことはもちろんできません。会社員のように土日はお休みというわけにはもちろんいきませんよね。

365日24時間体制で電力需要と供給される電力のバランスが崩れないよう、発電方法の特性を使い分けて電力需要の変化に柔軟に対応し、安定供給のための工夫がなされているのです。政府は総合資源エネルギー調査会において、2030年を目標に目指すべき電源構成を以下のように発表しました。

再生可能エネルギー(22~24%)、原子力(20~22%)、石炭火力(26%)、天然ガス火力(27%)、石油火力(3%)

データの数値を見ていただければ一目瞭然ですが、火力発電がほとんどの割合を占めていることが分かるかと思います。これは既述のとおり、原子力での発電量を減らした分、火力発電の割合が増加したことを表しており、再生可能エネルギーについてもその割合は増加しています。


目次に戻る