春になり、新しい生活に伴って引越しをされる方も多いと思います。初めて一人暮らしをする人は、ライフラインの契約で東京ガスと都市ガスの違いが分からず、どっちと契約するのかと混乱した経験もあるでしょう。そこで両者の違いをみていきます。

使用するガスの種類

まず、一般家庭で使用するガスは、大きく分けて【都市ガス】と【プロパンガス】の2つです。

都市ガスは、メタンを主成分とする天然ガスであり、その性質からガスボンベなどの運搬には向きません。そのため主に大都市圏で利用され、道路の下に通された導管(ガス菅)から各家庭に供給されます。

一方、プロパンガスは、プロパンやブタンを主成分とする液化石油ガスであり、その性質からガスボンベでの運搬が容易です。そのため主にガス導管が整備されていない地域で利用され、住宅の外に設置されたガスボンベから供給されます。

このように、両者の主な違いはガスの種類と供給方法であり、前者は現代社会ではライフラインの一つとされ、国の認可によって料金が決まる公共料金の一つですが、後者は事業者が自由に料金を決める事ができます。

ガスを供給する事業者

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ガスの事業者のほとんどはガス事業法に基づいて事業を行う一般企業で、電力会社などと同じく、国の許認可を受けて事業を行います。その事業者の一つが【東京ガス株式会社】です。

東京ガスは、もともと東京府(今の東京都)が行っていたガス事業を払い下げる形で設立された日本初の民間ガス会社で、国内における大手ガス会社4社にかぞえられています。

ガスも小売自由化がはじまる

両者の違いを理解できたと思いますが、結局、家庭で使用するガスを選ぶ事はできません。

都市ガスは、国民にガスを安定供給するために、ガス事業法によって地域ごとにガス供給を独占している会社があり、関東では東京ガスがそれにあたります。

しかし、電力と同じく、独占による弊害もあり、2017年4月より都市ガスの自由化がはじまります。これは、自由化によりガス会社間で競争を生み、料金の引き下げやサービスの向上などによって、消費者が利益を享受できるようにするのが狙いです。

また、この自由化により導管(ガス菅)の整備も行われるので、約50%の普及率が向上すること間違いなく、今までプロパンガスを利用していた家庭でも都市ガスを利用できるようになります。

電力自由化も、ガス自由化も、私たち消費者にとてもメリットがあります。自分たちの暮らしにあったものを選択できるようにしましょう。