電力自由化において、大きく関係があるものとして発送電の分離があります。
電力自由化においては、生活上のランニングコストにも関係することから、その内容に関して理解をしておくことが必要になりますが、ここでは、発送電の分離を知ることも大切なことになります。
発送電の分離とは?
発送電の分離とは、簡単には、発電と送電を分離することを指します。
通常、発電所で電気を作り、家庭や向上に届ける場合には、発電設備とともに送電設備が必要となります。現在においては、その両方を大手電力会社が所有をし一体管理をしていますが、分離をすることで、送電や配電のネットワークを発電設備から独立せることになり、ここでは、全ての電力事業者が平等に利用をすることが可能となります。
電気事業に関しては、これまでも、電力の小売りを始めとして自由化が進められてきました。しかし、送電や配電といった、電力の流通に関係する内容に関しては自由化が行なわれておらず、ここでは、大手電力会社の独占が認められています。
その理由としては、それぞれの業者が勝手に設けた場合には大変なことになってしまうことや、管理や敷設に関するコストが巨大になるなどがあり、そのために、現在では、経産省の規制下におかれています。
実際に行う仕組みとは?
発送電の分離では、国によっても様々な方法が用いられていますが、日本では法的分離という仕組みが検討されています。送電部門を既存の電力会社から切り離し、分社化をすることで行う方法となり、ここでは、新しく設立された送配電会社は、公平性をもった中立的な立場から業務を遂行することになります。
この場合、全くの別企業となるのではなく、仕組みとしては、子会社の形態など、資本関係を残すことが認められることになります。
発送電の分離の仕組みとしては、他にも、会計分離によるものや、機能分離によるもの、所有権を分離して行うものがあり、2003年においては、送電部門の独立会計による会計分離が導入されています。しかし、中立性の不足が指摘されており、結果、法的分離への検討へとつながっています。
発送電の分離によるメリットとデメリットとは?
行うことによるメリットとしては、大きくは、分離をすることで、送配電網を所有していない企業でも、公平にその設備を利用することができる点があります。
また、大手電力会社においても、これまでの管理コストを削減することができるようになります。反面、デメリットとしては、分離をすることでスケールメリットが減少することがあり、結果として、コストアップにつながってしまう可能性があります。