この4月から電力自由化が始まったわけですが、この電力自由化と時々耳にする発送電分離との間には、どのような関係があるのでしょうか。
電気を作るという事
まず、電力を我々が利用するには、最初に発電をして電気を作りださなければなりません。すなわち、水力発電・火力発電・原子力発電等によって電気を作るわけです。
次に、この電気を各家庭や企業に送り届けなければならないことになりますが、これが送電です。この発電と送電をあわせて発送電と呼んでいるわけですが、今まではこの発送電の機能を同じ会社が提供していたわけです。
しかし、この独占体制を止めて自由競争にしようとした時、送電の機能を自前で作らなければならないということになると、事実上この事業への新規参入は不可能になりますから、発送電分離という考え方を導入したわけなのです。
すなわち、電力自由化に伴って、新規参入企業は発電した電気を、既存の送電網を使用して送ってよいということになった訳です。
ですから、今回の電力自由化と発送電分離は不可分の関係にあると言うことができます。
電気を使う人たちのメリットって?
それでは、このような関係を構築する事によって、消費者側にはどんなメリットがあるのでしょうか。
まず、新規参入企業は、既存の電力会社の電気料金よりも安い料金体系を続々と発表していますから、電力の価格競争が促進されることにより、消費者はより安い電気を使用することができるようになります。
しかし、ここで電気が安くなるのは、電気を大量に使用している消費者に限られるということに注意する必要があります。
では、なぜ電気を大量に使用している消費者だけが安く電気を購入することができるのでしょうか。
それには、電力会社からの請求明細書を見るとよいでしょう。
そうすると、電気料金は基本料金・1段料金・2段料金・3段料金に分かれているということがわかります。
電気料金の事
すなわち、電気料金というのは、最初は安い基本料金が適用されますが、使用料が増えていくにつれて1段料金・2段料金・3段料金といった具合に割高な料金が適用されていくようになっているのです。
ですから、この割高な料金が適用されている部分に対して、新規参入企業はもっと割安な料金を提供できますよということなのです。
では、もともと何でこのような使用料に応じて高くなる料金が設定されているのかと言いますと、石油を輸入しなければならない我が国の事情を考えて、エネルギーを節約しなければいけないという考え方に基づいているわけなのです。