日本の社会は良いも悪いも、国による規制が各部まで行き届いてます。
法律家でさえ分からない細部にまで法による規制が及んでおり、一市民が存在する法律を把握する事は原理的に不可能です。

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新しい規制緩和として注目される電力自由化

ただ近年では徐々にではありますが、規制緩和が進行中です。
高速バスや郵便事業、高速道路にありますサービスエリア、そういった部分の規制緩和が昨今顕著に進められており、その恩恵は一市民にも還元されています。

そして新しい規制緩和の分野として注目されるのが電力です。
電力自由化によって、法規制によって言わば保護されていた既得権益が多く企業に開かれました。

普通の民間企業でも独自に電気を生産出来るようになり、電力の流通と販売にまつわる規制が撤廃され、自由に小売り可能となりました。

電力自由化のメリット

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電力自由化によって市民に与えられる恩恵は大きいです。
一家庭でも自由に契約会社を選択出来るようになりますので、料金や発電方法、ポイント還元の有無等で比較検討すれば、以前よりもお得な暮らしが実現します。

携帯電話会社やIT企業が電力自由化によって市場に新規参入し始めています。
その結果、ネット契約と電気契約、あるいは携帯電話契約と電気契約を同時に結べば、全体での維持費が下がる等、家庭に嬉しいおまとめプランが利用可能となります。

電力自由化によって携帯電話会社のポイントが貯まる、契約先を大手から民間の家電メーカーに乗り換えれば、家庭にソーラーパネルを設置し、よりお得でエコなライフスタイルが可能になる等、ユニークな恩恵が消費者側に還元されます。

電力自由化のデメリット

一方で電力自由化には、デメリットもあります。
規制緩和によって玉石混交な市場となりますので、いざ契約先を乗り換えようと検討しても、どの企業のプランが自分の家庭にベストなのか分かりづらくなるデメリットがあり、単純に目先の電気代の安さだけで契約先を変更してしまうと、総合的な維持費が返って高くなるリスクが出て来ます。

またデメリットとして電力自由化によって、言わば発電の経験がないIT企業や通信会社、流通サービスが供給者となりますので、電気の生産性が不安定化する恐れがあります。

更にエコなイメージを売りにする電力プランが既に数多く発表されていますが、化石燃料による発電を電力自由化によって新規参入した企業が挙って進めれば、原子力発電所以上に地球環境に強い負荷を与える結果になります。

原子力発電所は環境面での性能は非常に高く、空気を汚さない発電方法です。
対して電力自由化によってエコなイメージを出している原発以外の発電方法は、二酸化炭素を多く排出する化石燃料による発電であり、言わば古い方法を採用しているわけですので、反原発運動にはプラスになっても地球温暖化問題にはマイナスの影響を与える懸念があります。