イギリスは電力自由化における先進国として認識されており、実際の自由化に関しても1998年というかなり早い段階で実施がされていました。

1998年以前は日本と同様に特定の電力会社が電力供給を担っていた、また日本と同様に島国であるといったところでも共通点がありますから日本が今後電力自由化を本格的に導入していくにあたっても良いモデルケースとなるでしょう。

ではイギリスにおける電力自由化がどのように行われてきたのか、今回はこのことについてピックアップしていきます。

目次

イギリスにおける電力自由化のメリット

まずイギリスで電力の自由化が行われたことによって発生したメリットについて考えてみましょう。

これは特に「他業種から電力事業に参入した事業者によってさまざまなプランが提案されている」ということが大きなメリットとして挙げられます。
携帯電話会社やガス会社などが既に提供している商品と併せて、その会社から電力を購入するようにすると割引が受けられるのです。

これによって電力価格が自由化前と比べると日本円にして年間3~5万円ほど安くなったという結果が出ていますから、この点はメリットとして評価できるでしょう。

イギリスにおける電力自由化のデメリット

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ではこれに対してデメリットは何かというと、やはり大きいのは「電力価格が不安定になった」ということです。

これはもちろん短期間に何千円も変動するということではないのですが、長期的に見ると発電に必要な天然ガスや石油などのエネルギーの価格の変化が消費者に対してよりダイレクトに伝わるようになっています。

特に近年ではこのエネルギー価格の高騰の影響がかなり見られており、導入開始当初と比べると価格低下が鈍くなっているという報告もあります。

このエネルギー価格の高騰は世界的にも発生していることなのですが、国が経営に関与をしない民間企業が電力を供給するということは企業のコスト増を消費者がダイレクトに受けるというデメリットでもあるわけです。

イギリスの電力自由化は成功なのか失敗なのか

さて、では結論としてイギリスにおける電力の自由化は成功だったのか、失敗だったのかというと、まず「競争の刺激」ということで考えるのであれば、新規事業者の参入やそれによるサービスの変化などがあったためある程度成功だったと言えます。

ただ「電力の安定供給」というところで見ると、これは少々失敗だったと言わざるを得ません。

イギリスの家庭用電力価格のグラフを見ると1998年まではおよそ100~150米ドル/MWhの範囲内で安定していましたが、自由化後は一時引き下がったものの2007年には200米ドル/MWhを超える高値を付けました。

こうした価格の不安定化は日本で電力が自由化された場合にも懸念されることですから、こうした変化があったということは日本人も知っておくべきことでしょう。