いよいよ今年の四月から電力自由化が実施されることとなりましたが、いったいどのような経緯でこのような顛末となったのでしょうか?
目次
電力自由化されていなかったのはなぜ?
まず、日本においては今まで電力会社を個人が自由に選べるという状況ではなかった訳ですが、海外においては既に電力自由化がなされていたという経緯があります。
ですから、アメリカのような先進国で電力の自由化がなされているのであれば、日本もそのようにすべきだという議論が前からあったわけです。
そして、その背景には、日本の電力料金が海外に比べて高いという状況がありました。
しかし、一方において、日本では停電するというような事がほとんどなく、海外諸国に比べて極めて安定した電力供給がなされていたという事実もありました。
このような事情もあって、電力自由化の動きが止まっていたという経緯があるわけなのですが、これが2011年3月11日の東北大地震によって一変してしまったわけです。
東北大地震による変化
この大地震による福島原発事故によって、日本における安定した電力供給といった神話は崩壊し、日本を代表する電力会社である東京電力に対する信頼は完全に消え去りました。
そして、このような電力会社に電力供給を独占させていたのがまずかったのだということになり、一気に電力自由化という運びに至った訳なのです。
しかし、我々日本人にとっては初めての試みですから、電力自由化によって社会がどのように変わるのかということを予想するのは難しいと言えるでしょう。
電力料金が多少安くなるにしても、それで停電が頻繁に起こるようなことになってしまえば本末転倒と言えるでしょうし、自由競争によって電力の供給が増えるのかという点に疑問も残ります。
まとめ
昔は、夏の時期に図書館などの公共施設に行きますと、空調がガンガンとかかっていて、涼をとるのに良い場所だったものですが、最近は夏に図書館に行っても、空調を節約させているせいか生温かい状態となっています。
人間の生活というものは進歩するものだという直線的な歴史観にたちますと、現在は数十年前の状況より退歩しているようにも思えます。
このような状況を元に戻すには、原子力発電を復活させるべきなのか、あるいは原発は止めて他の代替エネルギーに切り替えた方がよいのか等、エネルギー政策を巡ってはまだまだ解決すべき問題が山積しています。
このような問題が、電力自由化によって解決されることになるのかどうか、これからも我々は見守っていく必要があると言えるでしょう。