電力自由化に期待される効果には様々なものがありますが、消費者にとって最も重要なのは「電気料金がどう変わるか」という部分です。

これまでは特定の電力会社が設定したプランに従う必要がありましたのでどの家庭もほぼ同じ形で料金が算出されていましたが、電力自由化によって複数の会社が市場に参入すればその料金の算出方法も変わります。

では今回は実際のところ電力自由化によって電離着料金はどの程度変わるのかということについて見ていきましょう。

目次

実際の数値を出すことは難しい

まず最も重要なところとして「電力自由化でこれくらい安くなる」などの数値を出すことは難しいということです。

電気料金はもともと使った分の支払いが必要になりますから、家庭によって最終的な電気料金は異なります。
そのため実際の数値については各家庭の条件に合わせて考える必要がありますが、一応の試算で言うと年間5%前後は引き下がるのではないかという見方が強いです。

例えば毎月1万円の電気を使っているのであれば500円ほど値下げになりますし、年間であれば6000円ほど下がるといった形になるでしょう。

よりお得なセットプランが登場する可能性が高い

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しかしこれはあくまでも「市場競争によってどれくらい下がるか」といった単純な考えでしかありません。

実際には携帯電話会社やガス会社なども電力市場への参入を行う可能性が極めて高いわけですから、そこでは「携帯電話と一緒に契約すればさらに割引」などのプランが出てくることが予想できます。

従って既に別の商品で契約をしている会社が電力も供給すると言うのであれば、そのプランを考えればより安い価格で電気を使用できるようになる可能性が高いでしょう。

消費者は電気を買う際にも通常の商品と同じようにして価格比較が必要になりますので、情報収集はしっかり行わなくてはなりません。

逆に価格が上がる可能性もある

さて、ですがここで注意しなくてはならないのが「逆に価格が上がる可能性もある」ということです。
日本では発電を自由化し、送電は部分自由化という形で結論が出されていますが、発電にはさまざまな燃料が必要になります。

今日本で最も使用されている発電エネルギーは石油ですが、石油はいずれ枯渇する天然資源であり、かつその大部分を輸入に頼っているという現状があります。
そのためもし今後オイルショックのようなことが起きれば、発電コストの増大によって電力価格が一気に値上げされる可能性があることは否定できません。

自由化されている環境ですとそうしたことに対しても民間企業が対処をしなくてはならないということになりますので価格高騰が起きる可能性が出てきてしまいますし、また最悪の場合停電などが起きるリスクもあります。

日本ではフォロー制度も同時に運用するとしてアナウンスがされていますが、こうした価格高騰のリスクは事前に考えておく必要があるでしょう。