4月から始まった電力自由化ですが、これを東京電力の立場からみるとどうなのでしょうか。まあ、今まで独占的に事業を行ってきたところに新規参入企業が入ってくるわけですから、ビジネス的には苦しくなると言えるでしょう。
電力自由化で必要なもの
新規参入企業がビジネスを展開するためには、電気の供給先にスマートメーターという機器を設置する必要があって、これは東京電力が設置することになっています。
わざわざ競合他社のために機器を設置しなければならないというのですから可笑しな話ですが、このスマートメーターという機器の設置状況が遅れているということです。
東京電力はどうする?
まあ、東京電力側がわざと機器の設置を遅らせているということはないのでしょうが、機器の設置を早めなければならないというインセンティブがないことも理解できます。
それに、暫くすると今度はガスの自由化というものが始まりますから、例えば東京ガスが電力事業の立ち上げに手間取っていると、今度は東京電力のほうが逆にガスのビジネスに進出して反転攻勢に出るというようなことも考えられるわけです。
以上は、電力自由化を東京電力に対してネガティブな観点から見た説明でしたが、電力自由化を東京電力に対してポジティブな観点から見たらどうなるでしょうか。
自由な販売方法
まず、政府の規制から解放されるということが大きな利点と言えるかもしれません。
すなわち、福島原発の問題にしても、大きな観点で見たならば、政府の原子力発電政策に則って行われてきたと言える訳です。
もしも、東京電力が国策会社ではなくて完全な民間会社であったならば、原子力発電事業を始めなかったかもしれないですし、あのような悲惨な事故を起こすこともなかったかもしれません。
ですから、電力自由化が行われたことによって、これからは私的企業として国策に縛られることなく自由にビジネスを展開できるようになるわけです。