携帯電話大手のソフトバンクが電力業界に進出しました。以前より、太陽光発電事業への進出など電気事業への参入を狙っていた同社ですが、この電力の自由化というタイミングで満を持して登場です。

規制緩和を狙うソフトバンクの事業戦略

なぜ、ソフトバンクは電力業界に参入したのでしょう。
実は、これは同社の一貫した事業戦略であるのです。

パソコン卸の事業者としてスタートした同社ですが、通信の自由化、金融の自由化に大胆にチャレンジしてきています。通信分野は言わずもがなですが、実は金融分野にもチャレンジしているのです。

今や袂を分けることになったSBIグループもその一つです。
また、過去にはナスダックジャパンという事業にも手を出しています。これは失敗に終わるのですが、お見事なのは撤退の速さです。失敗と見るや一目散に引いていきます。この辺りは、サラリーマン企業にできる技ではありません。オーナー企業の特長を生かしたスピード経営と言ってもよいでしょう。

ソフトバンクが電力事業を始めたのはいつから

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ソフトバンクが電力ビジネスに力を入れるようになるのは、東日本大震災後の反原発運動あたりからとなります。原子力発電が衰退するのではとのことから、まず太陽光発電に進出します。

しかし、同社と電力会社とのつながりは、これよりも10年以上前にさかのぼります。
実は、同社の通信の自由化参入の第一歩は、東京電力との合弁会社でスタートさせているのです。これも結局は失敗に終わりスピードよろしく退散します。

太陽光発電についても最近はトーンダウンしている状況ですので、状況次第では早期撤退ということもあり得るかもしれません。

ソフトバンクが始めた電力小売りはお得なか

電力小売りを始めたのは同社だけではありません。
他の通信事業者はもちろん、様々な業界から参入がみられます。

ポイントとなるのは、セット販売です。つまり、電力小売りを利用してもらうことで他の使用料とセットにできるというところがポイントとなるのです。

ソフトバンクの場合で行けば、携帯電話料金と電力の小売りをセットにすることでビジネスチャンスが発生するのです。これは、事業者にとってはもちろんのこと、利用者である消費者にとってもコストダウンにつながりますので非常にありがたいサービスとなります。

当然、携帯電話料金のようにそこそこの金額が発生し、しかも毎月のように課金されていれば消費者にとってはコストダウンの幅が大きくなる可能性があるのです。まだ、始まったばかりですが、今後は様々な新たな利便性の高いサービスが提供されてくると期待されています。