2016年からPPS電力自由化になります。
これにともなって電気の小売り業界に新規参入してきたのがPPS、特定規模電気事業者で、Power Producer and Supplierの略です。

目次

特定規模電気事業者「PPS」とは

PPSはいままで電力業界をカバーしてきた大手地域電力会社以外の事業者です。
PPS電力自由化にともなって急増しており、2016年からの一般住宅への電気の小売りへの参入を見越しています。

電力の小売り自由化は2000年に始まっていますが、大規模消費者のみの対象であったため、開始当初は20社にも満たない数でした。
東日本大震災以降その数は増え続け、現在参入を表明しているPPSはすでに600社を超え、東京だけでも200社を超えます。

特定規模電気事業者「PPS」の特徴

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PPSの特徴は、電力量が小さい、または電力を持たない会社もある、ということです。
名乗りを上げている小売業者は電気やガスといったエネルギー部門だけではありません。電気とは関係のない、ITや通信会社、商社など電源を持たない分野の参入も多くみられます。

発電設備をもつ事業者は余剰の電気を販売することもできますし、また、ほかの発電設備を持つ業者から余剰分を買い入れて販売する方法もとられています。
また、地域電力会社から高圧電力を一括購入し、マンションなどの大口の顧客、消費者に分配して売る方法もとられています。

高圧電力は低圧電力を買うよりも安いので、変電設備があれば可能なのです。
また、PPSは発電所と消費者間の送電線を持っていないので、既存電力会社に借りることになります。

もし何らかの理由で電力の十分な供給が出来なくなった場合、既存電力会社が不足分を補うということになっています。

コストが低く料金を引き下げることが可能なPPS

PPSの特徴はほかにもあります。コストが低い分、料金を引き下げられる点です。

PPS電力自由化にともなって、スマートメーターが導入されます。
これは、検針器をインターネットにつなげたもので、データは自動的に電力会社へ送信されるので検針をする必要がありません。

大手地域電力会社では人件費や発電設備への投資が大きく、基本料金へ上乗せせざるを得ません。電力を持たない、また検針などの人件費の必要ないPPSでは投資のコストがとても小さくなり、料金を引き下げることが可能です。

新規参入の多いPPSですが、今のところ全販売電力量に占める割合はまだ数パーセントにとどまっています。PPS電力自由化後、消費者にやさしい電気料金の提供や電気の安定供給など企業努力が期待されています。