今年4月、一般家庭でも電力の供給を受ける会社が選べることになりました。
自由化は長年、電力は選ぶものではないと思い込んできた日本人に新しい選択を可能にしました。

それでは電力自由化はいいことばかりでしょうか。
電力自由化を前に、既成電力会社、新規参入会社が競って顧客確保へ宣伝合戦を繰り広げていますが、本当に電力自由化は、消費者にとってメリットばかりでしょうか。懸念される問題点、電力の安定供給への不安、電気料金の高騰などを考えてみたいと思います。

目次

安定供給への問題点

自由化で新規参入する新電力は小規模火力発電所だったり、風力、水力、太陽光発電です。需要に合った発電量が確保できるかの不安はつきまといます。

事実、アメリカでは2001年に、新規参入電力会社が電力不足に陥って、停電した事例があります。さらに、経営基盤の弱い企業の場合、倒産などの不安も払拭できません。

日本の場合、新電力会社がそのような供給不足や倒産に陥った場合は、大手電力から供給を受けることになっていますが、一時的に停電になるなどの可能性は残されています。

電気料金が高くなることは

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現在、電力自由化になれば、どの会社も「電気料金が安くなります」「お徳になります」と宣伝しています。安くならない会社でも、電気使用料に基づいてポイントがつき、ポイント分のサービスが受けられるので割安感が実感できることをセールスポイントにしています。

本当に、電気料金は必ず安くなるのでしょうか。
現在安値が続いている原油価格が長期的みれば高くなることもあります。

火力発電の原料になる石油の高騰は電気代の高騰につながるのは過去の例を見れば明らかです。電気代は絶対に安くなるとは言い切れないのです。

電力自由化を正しく受け止めるには

電力自由化の最大のメリットは、これまで独占市場だった電力の世界に健全な競争原理が導入されることです。地域ごとに寡占状態だった電力市場が、だれでも参入でき、買い手自身で選べる状態になることが最大のメリットといえます。

電気代が安いことは電力会社を選ぶ際の最大の判断材料とはなりますが、それに加えて、「原子力発電の電力は使いたくない」「地球温暖化防止に少しでも役に立ちたい」「新興会社を応援したい」など、電力会社選びに個人の考えを反映させることも重要なポイントです。

これまでは、電力会社は否応無しに一社しか選択肢がなかった電力会社選びの問題点がやっと解消できることになりました。
これを機会に、電気の使い方を見直し、無駄な電気を使わないよう家族で話し合う時間を持つ、さらに、原発問題、地球温暖化問題などを話し合うきっかけになれば、それも今回の電力自由化の大きなメリットになります。