先の東日本大震災を受けまして、日本人の暮らしは劇的な転換期を迎えようとしています。
今までは当たり前だと思っていた社会の仕組みが変わり始めており、特に資源や電力、環境関係の方面は大きく変わり始めています。

目次

電力の自由化により生活が大きく変わる

今までの原子力発電所に依存した発電方法、そして大手一社が実質的に市場を独占していた仕組みを見直す決定がなされ、時の総理大臣が主導する形で電力の自由化が推進されました。

今までは各地域に置かれた巨大な電力会社が送電と発電を一手に引き受けていましたが、
電力の自由化の決定を受けまして、数多くの企業がインフラ系サービスに参入を表明しています。

既にテレビCM等で発電、または送電のサービスに参入する強い意思を表している携帯電話会社やネット事業サービスもあります。

電力の自由化が進む事で市民は今まで実質的に契約先が一本化されていた環境から、電力の生産者を自由に比較検討出来るようになります。

消費者のメリットとは

heart-583895_640
大企業が独占していた市場が、多くの企業に開かれましたので、価格面の競争が起き、
携帯電話の料金のように会社が顧客獲得のために、電気代の値下げ合戦を繰り広げる事が予想されます。

消費者にとって電力の自由化は、基本料金や生活の維持費が下がるメリットがあります。

また原子力発電所に対して、不満や不安を抱いている市民の方であれば、新しい自然エネルギーとして高評価を集める風力、水力発電を行う新しい電力サービスと契約出来ますので、反原発派には嬉しいエコな選択肢が加わります。

電力の自由化による不安と問題点

一方で識者の間では以前から電力の自由化に関する問題点が指摘されています。
まず最初に懸念されるのが、電力供給の安定性です。

東京電力や関西電力は先の大震災後、大きな批判にさらされていますが、電力消費量が極めて高い日本の国において大規模停電を起こした事はありません。

半ば市場を独占する大企業として慢心していた部分は否めませんが、インフラの品質と供給の安定感は極めて良好であり、今後電力の自由化によって参入する新しい企業が、東電や関電並の高品質を実現出来るかは疑問符がつきます。

電気代がたとえ安くなったとしても、しばしば停電に悩まされていは安心して過ごせません。また郊外の地域によっては、自由化によって逆に電気代が上がってしまう問題点もあります。

更に自由化によって、本来であれば市場に参入出来ない規模の企業が供給者になれてしまいます。魅力的な電気代だと大企業から新しい無名の電力会社に契約変更をしたものの、その企業が経営不振によって早々と倒産してしまえば、電力の供給が安心して受けられません。

更に選択の幅が増える事自体、消費者にとっては不用意に比較検討しなければいけない企業が増える事にも繋がり、決断が鈍る問題点が生じてきます。