電力自由化は日本の電力市場を大きく変貌させる極めて重要な改革であると言えます。
実際の自由化が始まった現在では良い側面ばかりが注目されていますが、実際にはいくつかの問題点を抱えていることも事実です。

ここでは電力自由かという改革が抱える問題点としてはどう言ったものがあるのか、また解決策としてはどう言ったことがあげられるのかということについてチェックしていきます。

電力自由化が抱える問題点とは

まずは問題点としてはどう言ったものがあるのかですが、まず大きいのが「市場競争が刺激されることで電力の安定供給が失われるのではないか」ということです。

そもそも電力というものは現代の生活において必要不可欠な存在になっています。
万が一にも止まってしまっては困る存在だからこそ、これまでの日本では限られた電力会社がいわゆる独占市場の状態で供給してきたわけです。

その独占状態を解くことで競争を刺激しようというのが電力自由化の狙いなのですが、これが過剰なものになると安売り合戦が始まってしまい、最悪の場合電力会社が利益を得られなくなる可能性がありますから、安定供給も失われるリスクはあります。

また「電力会社の倒産が発生した場合どうするのか」ということも問題です。
仮に先ほどの市場競争の中で自分が契約している電力会社が競争に敗北して倒産した場合、電力供給をしてくれていた会社はいなくなります。
そうなれば電力をどう調達すれば良いのかということも極めて大きな問題であると言えるでしょう。

電力自由化が抱える問題点への解決策

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では続いて解決策についてですが、まず「安定供給」の部分に関して日本では広域的運用推進機関の設置で対策がなされています。

これは万が一何らかの事情によって長期的に安定供給が失われそうになった場合に対応する特殊な機関であり、安定供給のために電源を確保する役割を担う団体です。
これが設置されているため大災害などを除けば少なくとも電力が使えなくなる事態は回避できるとされています。

併せて電力を家庭に送る送配電業者も常に電力需要と電力供給を監視する義務が与えられていますから、仮にどこかで電力供給に異常が発生しても迅速な対応ができるようになっているのもポイントです。

電力会社が倒産した場合の解決策

また「電力会社の倒産」が発生した場合、2020年までは東京電力のような既存電力会社が即座に送電契約を引き継いで行うことになっており、2020年以降は送配電業者がその対応を任されることになります。

そのため「電力会社が倒産した」からと言ってすぐに電気が使えなくなることは無いわけです。

日本の電力自由化は海外事例に多く学んでいるため、こうした解決策もある程度充実しています。もちろん不測の事態が起きる可能性は常にありますが、そうした場合であっても現状を見る限り最低限の対処はできると見て良いでしょう。