この4月から電力の自由化が始まりました。
この自由化というのは、電力の小売り部門がすべて自由化になったということで、まだ今の時点では自由化は完了していません。
既に開始されている電力自由化
今後発送電分離をすることで自由化が完了し、これをもって大手電力会社の独占時代が終わり、完全自由化の時代がやってきます。
実は自由化はすでに始まっています。
自由化の歴史は古く、最近急に始まったものではありません。
1995年に卸売自由化が始まり、発電部門に新規参入が始まりました。
その後1999年にはじめて小売部門の一部が解禁され、デパートや工場など大型施設への小売りが自由化、2003年には中小企業への小売り自由化が始まりました。
2016年4月に一般家庭への小売り自由化が始まり、これで自由化の第2段が完了したことになります。
私たちが好きな会社から電力を購入可
現在、一般家庭への自由化の波が押し寄せたということで、私たちの生活に直接関係のある話になり、注目されています。
小売りに新規参入業者が多く入ってきたため、消費者としては選択肢が大幅に増えることとなりました。
全く違う分野の参入が多く、IT企業やガス、燃料系の企業、建築分野や行政関係の会社まで様々です。各社自分の得意分野のサービスを展開し、顧客獲得へ乗り出しています。すでに4月1日から運用が開始されており、動向が注目されます。
電力自由化の最終段階がコレです
自由化の最後の総仕上げが発送電分離です。
現在はまだ送電線ネットワークの部門はいままでどおり、地域の電力会社が管理しています。この部門は2020年をめどに分離される見通しです。
発送電分離とは電力の発電と送電を分離することで、すべての事業者が平等に利用できるようになることで、これをもって電力の自由化は完成します。
送電部門に新規事業者が参入することで、料金の値下げが期待されていますが、同様の分離を行った他国では料金が下がった事例はなく、実際には値上がりしてしまう傾向にあります。
送電線は電力供給には欠かせない施設ですが、新規参入会社が維持管理に力を入れなくなる可能性もあり、老朽化のため安定供給が出来るのか不安が残るところです。
また現在はもし安定供給できない場合などは大手電力会社がその部分を補充するという約束になっていますが、発送電分離が完了すると、送電線は新規参入会社にも自由に使えるようになってしまいますので、この約束が破棄されてしまいます。
災害や大規模停電などの場合にほんとうに安定供給ができるのかどうか、注目すべきポイントです。