海外ではすでにたくさんの国で導入されていますが、日本でもいよいよこの4月から電気の小売り自由化が始まります。
電力自由化は、私たちにはどのようなメリットデメリットをもたらすのでしょうか。
目次
すでに始まっていた日本の電力自由化
日本の電力自由化は実はすでに始まっており、ビルや工場、デパートといった大きな施設は20年ほど前から電力の小売りは自由化されていました。
そして、その後、中小の工場はビルも自由化され、この度ついに一般家庭への電力自由化となりました。
電力の小売り自由化のメリット
まずメリットとしては、なんといっても小売り業者間の競争により、電気代が安くなる期待、そして多様化した小売業者それぞれが提案する多くの料金プランです。
電気関係以外の業種の参入も多いので、通信会社や、建築会社、また、石油関係の業者などそれぞれが自社の得意とする分野の料金と合わせて提案するプランや、ポイント制、割引サービスが展開される見通しです。
また、この度導入されるスマートメーターもメリットの一つです。
メーターに通信機能があるため、検針することなく使用電気量などのデータが把握できます。
スマートメーターは電力自由化に伴って導入されることになっています。
インターネットとつながることで、使用電力料金のみならず、どの時間帯に電気を使っているかなど、細かい電気の動きが把握できるため、電力供給をコントロールして大規模な停電を回避することができます。
電力の小売り自由化のデメリット
デメリットとしては、ほんとうに電気が安定して供給されるのかどうか、という点です。
また多くの小売業者では、電気を使えば使うほど割引率が上がるというプランが多く、節電への意識が薄れるのではないかという懸念もあります。
電気代が安くなることが期待されてはいますが、実際に電気代が安くなるかどうかは確定した情報ではありません。
プランによっては今までの倍になるケースもあり、入念なプラン検討が必要です。
すでに自由化された他国では、自由化後数年は一時的に料金は下がったものの、長期的にみると電気料金が上がったという例が多いのも事実です。
また、一般家庭に導入するということは、高齢者であっても対象であるということです。
検討が困難な高齢者には、個人で電力会社を選ぶというのは大変な話かもしれません。
プランが多く難解であることはデメリットになるかもしれませんが、4月までに変更できなければ、2020年までは今までの料金プランをそのまま引き継ぐことが可能という措置が取られています。