関東に住みながら関西の電力会社から電気を買う時代が訪れています。
以前までは住んでいる地域を統括する電力会社、関東であれば東京電力、中部地方であれば中部地方にある電力会社から電気を買うことになりますが、電力自由化により、関東に住んでいる人は東京電力以外から電気を買うことができるようになったのです。
では、実際に東京電力以外から電気を買うことになるとどうなるのでしょうか。
電気料金の競争が始まる
今までだと、電気事業はその地域を1社が独占する形を採用していました。しかし、今後は複数の会社が参入し、競争が激化します。
競争となれば電気料金を大きく値下げし、多くの人に利用してもらうようにしていきます。
いつまでも高止まりのままではお客さんを奪われかねないとばかりに、他の会社も追随することになり、競争となっていきます。
東京電力以外から電気を買うことになると、こうしたことが起こるようになるとされています。
電気料金以外のサービス合戦に発展
日本にはどこでも使えるポイントカードというものがあり、電力会社によってはそのポイントが使えたり、たまったりするサービスが始まっています。
東京電力以外から電気を買うことで今まで付かなかったポイントがつくようになり、お得に利用できるようになります。
もちろん東京電力でもそうしたことを考えるようになれば、なんらかのサービスで対抗し、電気料金だけでなくサービスの内容で勝負が行われるようになります。
電気が止まったり会社が倒産したらどうなるのか
電力自由化で最も不安に感じることは、東京電力以外から電気を買うことになった人が、乗りかえたその会社が仮に倒産した場合、今まで通り電気は使えるのかどうなるのかというものです。
この場合、別の事業者、例えば東京電力などがカバーし、セーフティーネットとして機能するようにします。欧米などではこうした制度がなかったことで大規模な停電に発展したケースもあります。
日本ではこうしたことのないように、お互いに電力を融通し合うということをしています。
電力事業に参入する会社には消費者保護のため様々な制約が設けられており、消費者重視の策がとられています。
電力自由化で実際に会社を乗り換えるケースは、まだ少数派で様子見の段階です。
この様子見の段階で東京電力などの既存の電力会社がどこまでつなぎとめられるのか、そして、他の会社がどこまで魅力を伝えられるのか、そのあたりが大きなカギとなります。