電力市場に新電力会社が続々と参入することになり、発送電分離という言葉をよく聞くようになりました。

発送電分離とは何なのか、そして画期的だと言われているスマートメーターの目的とは何なのか解説します。

発送電分離ってどんな仕組みなの

発送電分離とは、文字通り発電と送電を分離することです。
まず、発電について解説しますと、これは電気を発生させることです。その形態としては、火力発電・水力発電・原子力発電・太陽光発電・風力発電・地熱発電などがあります。

次に、送電について解説しますと、これは電気を送ることです。
具体的には、発電された電気が電線を通じて各家庭に送られてくるわけです。

以上、発送電分離とは何かという点について簡単に解説してきましたが、その目的とは何なのでしょうか。
それは、発電と送電を分離することによって、電力市場に新規参入企業を呼び寄せ、自由競争を促進することにあると言えます。

発送電分離の方が参入しやすい

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では、何故このような目的が必要となるのでしょうか。
それは、長年にわたる電力業界の独占状態により、進歩が阻害されてきたと考えるからなのです。それは、諸外国に比べて高い電気料金にあらわれており、ひいては悲惨な福島原発事故のようなものを招いたものであるとも考えられています。

では、このような目的のために、発送電分離とはどのような意味をもつものなのでしょうか。それは、送電網の設備を構築するのに厖大な費用がかかるということに起因しています。
すなわち、新規参入企業は発電と送電の機能を両方とも備えていなければならないということになると、事実上新規参入できる企業はいなくなってしまうからなのです。

ですから、発送電分離とは、電力市場の自由化のために必要不可欠のものであったと言ってもよいでしょう。

スマートメーターの凄さとは?

でも、発電を行う企業が増えたというだけでは、何も画期的なものはないではないかと思われるかもしれません。そこで登場するのがスマートメーターというものです。
電力市場自由化に伴って、このスマートメーターの設置が電力供給先に義務付けられることとなったのです。

では、このスマートメーターのどこが画期的なのかと言いますと、今までは人間が計器を見回りに来て電力使用量を計測していたものが、このスマートメーターを設置すれば無線で自動的に計測データを本部に送ることができるようになるのです。

ですから、このスマートメーターが各家庭に導入されるようになれば、電力業界のIT化がますます進むことになると言っても過言ではないと言えるのではないでしょうか。そして、電力市場自由化によって太陽光発電や風力発電のような自然エネルギーの利用が促進され、資源小国である日本の問題が解決されることも期待されています。