IPPとは「独立系発電事業者」を指しており、自らが所有する発電システム使用して電力を作り、それを電力会社へ卸売りする事業者を言います。

1995年の電気事業法改正によって、電力会社に電力を卸売りするIPPの参入が可能となったことで、石油会社やガス会社、エネルギー機器関連企業など、あらゆる職種の企業が新たなビジネスチャンスを求めて、電力小売り事業へ参入しています。
そして、2016年4月より電力自由化が本格的にスタートしたことで、IPPには余剰電力の取り引きを活発化される効果があると期待されています。

電力自由化の経緯

電気事業制度は1995年度から何度か改革が行われており、発電部門は価格競争を早くから導入して、小売り部門は自由化の範囲が順次拡大されてきました。

2000年からは大規模工場やデパート、オフィスビル、ホテルなどの大規模需要家が利用する、2000kW以上の「特別高圧」部門のみが自由化され、全体の約26%において電力会社へ売電することが可能となりました。

2004年からは、中規模工場やスーパーマーケット、中小ビルなどの中規模需要家が利用する500kW以上の「高圧」部門への電力卸売りが可能となりました。
しかしこの時点では、同じ高圧部門に該当する50kW以上の比較的小規模の工場や小規模・零細企業などの需要家は規制部門に該当しています。2004年の改革では全体の約40%が自由化されました。

翌年の2005年には、規制の一部となっていた50kW以上の中規模需要家への電力自由化も可能となり、ここで全体の半数を超える約62%が自由化部門となったのです。
しかしながら、重要の多い一般家庭や小規模の店舗などは未だ規制部門のままとなっており、IPP側も電力卸売りでの恩恵を受けることができていませんでした。

東日本大震災がきっかけで100%自由化に

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この状況は2010年以降も続きましたが、2011年3月11日に発生した東日本大震災によって大きく変化を遂げることになります。
津波によって福島原発が事故を起こしたことで、東日本での電力不足と共に原発に対する不安が高まり、電気を含めたエネルギー政策への関心が国をあげて高まったのです。

そして2016年4月には、50kW未満の一般家庭や事業所、コンビニなどの小規模需要家への電力自由化も始まり100%が自由化されたのです。

小売までの流れ

では、IPPが発電して電力を小売りするまでの流れはどうなっているのでしょうか?

自社設備で発電した電力を、これからは各家庭にも供給することが可能となり、その配電方法は従来の電力会社の電線を利用して供給されるので、電気の品質が落ちるということはありません。