今、日本は電力全面自由化への流れに乗っています。
海外との電気料金の格差や東日本大震災での被災を受けて、電気の小売業にもいろいろな業者が参入すべき、また業者間の競争で適正な料金を提案していくべきとの声が高くなってきました。

目次

電力自由化の経緯

電力自由化への経緯はどのようなものだったのでしょう。
すでに20年ほど前に発電に関する部分は自由化が完了しています。

今回2016年4月からの電力自由化は、電力を消費者に売る小売りに関する自由化です。電力の小売り自由化は2000年3月に始まりました。この時はまだ、特別高圧と呼ばれる大口の顧客のみの自由化でした。

2004年から2005年に高圧の区分に属する企業やビルへの自由化が完了し、今回低圧の区分に属する一般住宅や商店への自由化ということになります。
これをもって小売部門の電力全面自由化が完了します。

参入した様々な企業

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今回の小売りに関する自由化で、どのような企業が参入したのでしょうか。

1月よりすでに申し込みは開始されていますが、新規参入した小売電気事業者は150社を超えています。しかしどの企業でも選べるというわけではなく、住んでいる場所により選べる電気小売業者は決まっています。

料金プランは各小売事業者が各社の得意分野を加えて提案し、消費者は自分に合ったプランを好きなように選ぶことが出来ます。海外では自由化の後、しばらくは電気料金が下がったものの、その後跳ね上がったケースが多く報告されており、それを受けて日本では現行の料金規制を残しつつ自由料金を設定する方法をとっているため、電気料金が跳ね上がるということはないと予想されています。

また、小売り事業者として名乗りを上げるには、国の審査を通る必要があります。
電気はライフラインの一つなので、途中で倒産したりすることがないよう、国が厳しい審査を行います。

電力全面自由化の今後の流れ

今後の電力全面自由化への流れは次のようになります。

2018年から2020年までの間に、電力産業のうち自由化になっていない、送電線部門が自由化されます。

電力の発電と小売りの間は、かならず送電線を介して供給されます。
今まではここが国の管理下にあったため、もし電力を確保できない場合は既存の電力会社がサポートすることになっていますが、2020年以降はそのサポート義務も撤廃されますので、電力の安定供給が出来るのかどうか、問題となるところです。

電力全面自由化には、このようにいくつかまだ問題点が残されています。