電力自由化が2016年4月から始まりました。新規に様々な事業が電力供給に関する事業に参入し各家庭に電力を供給しはじめています。契約プランについては200を超えるプランがあるといわれており、利用者は豊富なプランの中から契約したい業者を選べるようになっています。
しかし、電力を供給する事業の中では電力自由化が始まって以後も最大手となっている東京電力では遅れをとっています。その原因について書いていきます。
スマートメーターの設置遅れ
まず、電力供給サービスにおいて電力自由化を前に東京電力においてはおよそ93万台のスマートメーターを導入するという計画を立てていました。しかしそのその計画は残念ながら大幅に遅れてしまい、そのことが原因となっています。今現在75万台の導入に留まっています。
スマートメーターとは、従来の電力量計から切り替えるときに設置する新型のメーターのことです。現在の東京電力から他の契約業者へと切り替えるときにはスマートメーターに切り替えることとなっています。
企業が管轄する地域の管内である関東地域において契約を変更した利用者は2016年2月の末の段階でおよそ20万件を超えた数の申し込みがありました。しかし、東京電力が他の工事会社にスマートメーターの導入を依頼した数は5万件程度に留まりました。
その原因がずさんな工事管理にあります。管内にある45カ所の支社のうち実に10支社おいて、工事を依頼した会社が協力会社との間で契約を結んでいないトラブルが発覚しました。そのため、作業員が不足してしまったことが背景にあります。作業員が不足したことによってスマートメーターの設置が遅れてしまい現在の状況を生み出すことになりました。
それぞれの電力事業者の見解
ただ、スマートメーターの設置の遅れについては2015年の末頃にはそうなる可能性が指摘されていました。そのためそれぞれの新規電力事業参入企業の見解としてはこのことは織り込み済みとして捉えていた面もあります。
東京電力側でも、電力自由化が始まる4月1日に間に合わない場合においては現行の電力量計のままで切り替えを行うことを示していました。この場合においては、東電の検針員が各家庭を回りメーター値を読み取る検針日が切り替えの日としていました。
もう一つの原因について
ただ、原因についてはもう一つあります。
新規事業者への切り替えの手続き自体が遅れていることが挙げられています。これには、現行の電力会社のスイッチング支援システムへの切り替えがうまく行っていないことや契約者の氏名などのマッチングが一致しないことによる中断などが挙げられています。
そのことが、東京電力側にじわじわとダメージを与えている背景となっています。
現在もまだ解消されていませんが、遅くとも5月中を目処には切り替えを完了させる方針としています。