2016年、電力市場の自由化についての施行が目前に迫ってきました。
日本中のどの企業も自由に販売できることになるというこの改革は、大きな注目です。

目次

新規参入企業の市場規模

そのターゲットとなる市場規模は、コンビニエンスストアなどの小売業や小規模事業所も含めた8420万件もの異業種です。しかしながら、新規参入ということだけでは、この巨大な需要を取り込むことはできません。

そのカギとなるのは、サービスや商品と融合した小売、また、業界の垣根を越えた事業同士の連携といったところです。
そうして、新たなビジネスも生み出されれば、その市場規模は7兆5000億円にまで膨らむと予想されています。

最も有力な異業種はガス会社

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市場の自由化について、数多の異業種参入の中でも本命視されていた大阪ガスが経済産業省と資源エネルギー庁に新電力=PPSの登録を完了しました。
大阪ガスは発電所を自社内に既に所有しており、PPS最大手のエネットに販売しているのです。
自らがPPSとなった大阪ガスは、直接的に販売できるようになるわけです。

このように市場の自由化について、自由化後に最も有力な異業種はガス会社です。
自由化が既に行われているイギリスでも、ブリティッシュガスが市場の高いシェアを獲得しています。ガスとのセット販売は家庭にも大きなメリットがありますので、日本でもガス会社が電力会社のライバルとなるのは間違いありません。

サービス・商品とのセット販売

自由化後も販売を始めるPPSが増えるとは考え難く、現行よりも低価格で小売できるようになることは至難の業で、新規顧客を奪うことは難しいですね。

そこで有効なのは、サービス・商品とのセット販売です。
特に家庭との接点があるPPSほど可能性が大きい。例えば、住宅販売会社です。

住宅の販売後でも電力販売で顧客との接点を維持できればリフォームの需要も見込める。
異業種参入の攻勢を受けてたつ立場にある東京電力は、携帯通信事業者との連携を画策しています。
セット販売で通信料金の割り引きをするサービスなどが開発を目論んでいます。

また、スーパーマーケットなどの小売業との提携や航空会社との連携でポイントカードによる顧客の囲い込みも計画しています。

一方、地域活性化につなげようとする自治体の参入も見られます。
自治体でPPSを設立する動きも出てきています。

例としては、山形県が都道府県としては初の「山形新電力」を設立する方針が決定されています。これも、地元の東北電力にとっては脅威となるに違いありません。