長年、構想自体は語られていたものの、実施が困難だと言われていたのが電力の全面自由化です。
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新しい法整備「電力の全面自由化」
日本は欧米圏の国々と肩を並べられる先進国ではありますが、個別に法律を見ていきますと明治から昭和初期に制定された状態のまま、強引に法規制が運用されています。刑法や民法、商法など、それは法体系全体に及びます。
ただ、東日本大震災という非常に大きなきっかけを経まして、その大災害の被害拡大の一因ともなった、電力会社の独占状態を解消する法整備が整えられました。
地域の電力会社以外にも電力の生産と送電、そして小売が認められるようになり、その新しい法整備は電力の全面自由化と呼ばれ、大衆と民間企業に喝采を持って迎え入れられました。
新規の電力企業「PPS」
新しく小売業者となる新規の電力企業は、PPSとも呼ばれています。
既に2016年の春の全面自由化に向けて各企業は宣伝と企画に力を注いでいます。
既に巨大な経営資本を持っているPPSも珍しくありません。
大手ガス業界やコンビニエンスストアの経営を進める企業、携帯電話の各キャリアの企業などは、今まで本業で培っていたノウハウを元に、魅力的な料金プランを顧客に提案しています。
小売業者が全面的に自由化を達成出来るか、という疑問に関してですが、その答えは「十分、可能」です。
全面自由化が実際に実施される当初は、新規参入のPPSが乱立し、市場は良いも悪いも玉石混交な状態になります。
しかし、数年も経過すれば現代のプロバイダ契約やクレジットカード契約のように、消費者に対して利益をきちんと提案出来る優良企業だけが上手く市場原理によってスクリーニングされるはずです。
消費者からの関心は絶大!特に専業主婦が注目
電力の全面自由化は国民の大多数が賛成している法改正でもあり、既に専業主婦の多くが絶大な関心を示しています。
地域にある大手電力会社と契約を続けるよりも、家族で利用している携帯電話会社が提案する新料金プランに乗り換えた方が、暮らしのランニングコストが安くなります。
加えて公共料金が一本化出来る便利さの向上、更には携帯電話代と電気代をセットで一社に支払う契約に乗り換える事で、レンタルビデオ店が運営する魅力的なポイントがどんどん貯まる等、消費者にとっては有力なPPSに移行した方が多くの恩恵を得られます。
規制緩和の中でも失敗した事例がありますが、今度の全面自由化は国民の圧倒的な支持を背景に実施される法改正ですので、小売企業はおそらく無事に新しい市場を開拓し、契約先を消費者が楽しく比較検討出来る環境が自ずと出来るでしょう。