2016年4月から始まる新しいサービスとして、これまで電力企業が独占していた市場を一部開放する電力自由化があります。

特にこのサービスの特徴が「発送電分離」です。今まで、配電の仕組みはすべて電力企業で賄われていたのですが、それを作り出した電気を発電する仕組みはそのままにし、送電の部分を様々な企業が委託されて配備するということが発送電分離なのです。
この発送電分離が出来ることによって、生活スタイルにあった電力料金に指定できるので顧客にはメリットが大きいのです。

ただこの法案は2016年に施行されるということになっているのですが、本来はもっと早い段階で施行された可能性があることを知らない人が多いです。
それはかつて発送電分離をしようとした時に、政治状況によって廃案にされた経緯があるのです。

そもそも発送電分離が出来た経緯

1995年以前においては、先に言ったとおりに電気事業はすべて電力会社が請け負っており、それによって電力企業の利益は安定するため、安心して電力を作り出し各建物に配給する流れが出来ていたのです。

しかし1995年に、震災によって電力企業の送電設備の大半が故障してしまい、送電できない事態になってしまったのです。
その送電できない事態になると、医療設備が使えないことによる治療の質の低下や、インフラ整備の遅れなどが起きたことによって復興の足かせになってしまったのです。

そのため送電部分を独占することによる問題点が明らかになり、もちろん急激な変化は対応が難しいので、1996年から2016年までは一般家庭はそのままで企業向けとして法案として提出し通ったのです。

それからさらに2011年で起こった震災でも変革がおこり、企業はもちろんのこと一般家庭での電気が使えない自体は生活に支障をきたすことになったことで、2013年の改革案で一般家庭でも配電を変える法案が提出されることになります。

2013年に提出された法案が廃案になったのには

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2013年に改革案で一般家庭でも配電を変える法案が提出されることになったのですが、しかし一般市民はなじみがないため知らない人が多いのですが、人知れず廃案になります。

そもそも廃案になった経緯は、衆院と参院のバランスが崩れているねじれ国会で、自身の政党の利益を考えて行動することで話がまとまらず、さらに参議院選挙の期日が近くなり早急に通さなければならないものは通し、それ以外は廃案する流れのあおりをくらうことになったためです。

発送電分離が廃案になった場合

施行されたとしても不備が見つかり実生活になじまないと判断された時には、その時の政党の意向で無くなることはよくあることです。

この場合すぐに影響があるわけではないのですが、ただその経緯を見守らないといざ何かあったときに対処しきれず、1995年や2011年と同じようなことが起きる可能性というのは大きいのです。