2016年4月に電力の自由化がスタートし話題になっています。

そして、電気だけではなくガスの小売りも自由化が決定されています。ガス事業に参入したい場合は必見の規制緩和です。

ガスの小売りはいつから?

施行の時期は改正小売り法公布の日から2年と6ヶ月以内となっています。目処としては平成29年ごろとされています。
この改正は 政府が掲げた「エネルギー基本計画」によって示された、エネルギー需給構造が抱える課題を克服するために実施される制度改革です。

もともとガス小売りは、小売り法である「ガス事業法」によって規制されていました。地域ごとに一般ガス事業者しか家庭等へのガスの供給ができませんでした。
そのため、新規事業者を受け入れない独占的な環境が維持され続けていました。

この改正により、登録をした事業者であればガス小売りに参入することが可能となります。
また、この法改正により小売り料金規制も撤廃され、自由に料金が決められるようになります。

自由化により期待されること

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料金の自由化が進めば競争が活性化し、ガス料金の値下げも期待されます。この点は消費者においても必見の内容です。

ガスの種類によっても地域の規制があります。
LPガスをガス管で供給する簡易ガス事業者は、小売り法により都市ガス供給区域に参入することが許されていませんでした。

改正後は自由に参入することができます。このようにある程度の規制のもと参入することができるようになるため、ガス小売りを始める事業者やガス事業の拡大を検討している事業者には必見の改正です。

ガス導管事業については現状維持

この改正で自由化されるのはガス小売りであって、ガス導管事業については安定供給の観点から地域独占や料金規制が維持されます。

ガスの導管網は電気とは違い、整備や保安に特別な技術が必要となります。また、導管の不良は大きな事故につながる恐れがあるため引き続き規制の対象とされています。
この規制が維持されることにより小売りの自由化が進まないという問題が発生しないよう、相互接続にかかる努力義務を課したり、事業者間の協議を国が命令や裁定できる制度を創設することが決められています。

いままで導管部門と小売り部門の兼業をしてきた事業者については、改正後に法的な分離をするように求められています。

このようにインフラとしてのガス事業の安全性の維持を規制しつつも、中立な立場で相互利用が行われるようにすることでガス小売りの自由化が活発に行われることを目標としています。
新規参入業者についても消費者についても有益な改正であることが期待されています。