4月から電力自由化がはじまって、発送電分離という言葉を聞かれた方も多いかもしれません。この言葉だけならば、なるほど発送電分離だから発電と送電を分離するという意味だなと理解できるかもしれません。
しかし、アンバンドリングというような英語が飛び出してくると、いったい何のことなのか判らないという方も多いのではないでしょうか。
英語で言うと?
アンバンドリングは、英語で書くとUnbundlingとなります。
Unという否定を意味する接頭句がついていますから、bundlingの否定なのだということが判るわけですが、それではbundlingとは何かと言いますと、bundleという動詞を名詞化したものです。
では、bundleという動詞はどういう意味をもつのかと言いますと、束ねるという意味です。ですから、Unbundlingとは、束ねないということ、もっとわかりやすく言えばバラバラにすることという意味になるわけなのです。
英語の解釈としての意味
それでは、発送電分離という文脈でこのアンバンドリングという英語を解釈するとどうなるのでしょうか。発送電分離というのは、発電と送電を分離するということことですから、発電の部分と送電の部分をバラバラにするということがアンバンドリングの意味になるということになります。
では、なぜUnbundlingというようなまわりくどい表現をするのかと言いますと、もともとこの発送電分離というのは欧米で始まったものであって、英語ではこれにUnbundlingという表現が使われていたからです。
日本語と英語の表現との違い
日本語の場合には、発送電分離と言えば電力の話だということが理解できますが、英語の場合には、Unbundlingという表現は電力の話だけに限られているわけではなく、全ての事象に対して適用されるという違いがあります。
例えば、コンピューター業界においては、HardwareとSoftwareを一緒に購入しなければならない場合にbundlingという言葉を使いますし、反対にHardwareとSoftwareをバラバラに購入できるようにすることをUnbundlingと言います。
似たような言葉にcross sellという言葉もありますが、こちらは日本語では「抱合せ販売」というように訳されています。
この場合には、bundlingではなくてバラバラに販売することはできるが、一緒に販売する事によって売上や利益を高めるという意味で使われることが多いと言えます。