この4月からの電力小売自由化に伴って、電力小売自由化という言葉とともに発送電分離という言葉もよく耳にするようになってきました。

この電力小売自由化や発送電分離というのは、いったいどのような仕組みになっているのかと疑問に思われた方も多いのではないかと思います。
そこで、以下にわかりやすく解説していくことにしましょう。

電力を作る場所って何処なの

まず、電力を私達が家庭で利用できるようになるためには、どこかで電力を発電する必要があります。具体的には、火力発電所や水力発電所・原子力発電所などが発電を行っているわけです。

次に、この電力を送電線にのせて各家庭に送電することになります。
ですから、電力を私達が家庭で利用できるようになるためには、発電と送電の機能が必要となるわけなのです。

今までは各地の電力会社がこの発電と送電の機能を同時に担っていました。
しかし、電力小売自由化を進めるということは、新規参入する会社が発電と送電の機能を同時に担わなければならないということになりますが、これら新規参入の会社が送電網をまた一から作り直さなければならないということは無理です。

欧米のアンバンドリングと同じです

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従って、発送電分離を行って、これら新規参入の会社が既存の送電網を利用して電力を供給できる仕組みにしようということになった訳なのです。

ですから、新規参入の会社は電力の発電の部分だけ用意すればよいということになり、これで電力業界に自由競争の仕組みが構築できたということになるのです。

このような仕組みは、日本で独自に考えられたものではなく、欧米では既に導入されているもので、英語圏ではこの発送電分離のことをアンバンドリング(Unbundling)と呼んでいます。ですから、電力小売自由化関連のニュースでアンバンドリングという言葉を聞くこともあるかと思いますが、このアンバンドリングというのは発送電分離と同じことであると理解してよいでしょう。

英語が得意な人であるならば、Un(否定を意味する接頭語)とbundle(束ねるという意味の動詞)の組合せで分離という意味になることをお判りいただけることでしょう。

購入する人達のメリットとは?

それでは、このような電力小売自由化によって私達消費者にどういうメリットが生じるのかと言いますと、自由な価格競争が生まれることによって電気料金が安くなることだと言えるでしょう。

しかし、新規参入各社の発表している格安の電気料金で気をつけなければならないのは、たくさん電気を使っている人には料金が安くなるという点です。