最近ニュースでも良く耳にする電力自由化とは、一言で言えば地域独占等の規制緩和の方法です。

今までまとめて担当していた電力会社以外の企業等の参入により、企業・個人における使用電力小売会社の選択肢を増やし、どこから電力を買うのか自由に選ぶことが出来るようになります。

電力自由化への道のり

2000年スタート当初は、大きめのビル・工場のみを対象として、新規参入電力会社からも電気を購入することが出来るというスタイルでした。
その後徐々に対象となるビル・工場は増加し、現在ではコンビニエンスストアくらいの大きさの建物においても電力会社変更が出来るようになっています。

15年を経た今では、小中学校・市区役所・銀行などの多くの自治体や企業においても新電力を選ぶ団体が多くなっていますが、それらに比べて電気使用量が少ない一般家庭においては電力自由化はされていなかったのです。

この一般家庭における電力自由化が一気に加速した理由は、2011年3月発生の東日本大震災です。この大きな災害で起きた原発事故により電力不足となり、電気料金は上がり始め、これをきっかけとして日本の電力の仕組みや規制改革が一気に動き始めたのです。

サービス内容・料金メニューを選べるように

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2016年4月から始まっている全面電力自由化、ニュースでもこんなに騒がれているのには理由があります。新規参入した新電力の企業が顧客確保のためにこぞってサービスプランを出し始めているからです。

今までの既存電力会社によりまとめられていた総括原価方式(発電コストや必要経費を積み上げ算出)ではなく、新電力企業は自由に料金設定をすることができるため、料金は地域一律に寄るものでもなく、発電内容も火力・水力・地熱・太陽光・風力・原子力等さまざま選べることになります。

住宅メーカーや通信会社が自社の商品とのセットで売り出すような画期的なサービスも期待されています。また、電力自由化に伴って各家庭に「スマートメーター」が設置されていきます。これは自分の電気使用量が可視化されることによって、自身の生活スタイルに合わせた節電方法を見つける手助けになるのです。

電力不足・停電リスクへの対処

電力自由化において、ニュースではメリットばかりがまとめられ優先報道されていますが、手続きの煩わしさや電気の品質、新電力会社の経営破たんへの不安などの問題も出てくるのは当たり前の現象です。

全国的な電力改革は日本社会にとって大事なインフラですので、上記のようなリスク減少のために、広域的運営推進機関の設立・参入会社のライセンス制度・停電フォロー制度などいくつかのセーフティネットが用意されています。