2016年4月から、いよいよ自分たちで業者を選んで電気を買うという時代に入ります。
電力の小売り完全自由化とはどういうことでしょうか。

目次

電力自由化の歴史

電力自由化の歴史は古く、はじまりは20年も前にさかのぼります。
この電力事業は大きく3つの部門で成り立っています。

「発電部門」「送電部門」「小売り部門」の3つです。
これらを国の管理のもと、地域の電力会社のみで独占していたというのがいままでの日本の電力事業の実態でした。

このうち1995年の制度改革で「発電部門」が自由化されました。
その後1999年の制度改革で、2000kw/20000V以上の特別高圧に分類されるデパートや工場、ビルなどに限り小売りが自由化されました。

4年後の2003年の改革では、50kw/6000V以上の高圧に分類される中小規模のオフィスやビルへの小売りが自由化され、全体の6割ほどの自由化が実現しました。

そして2016年4月に50kw未満の一般住宅、商店、コンビニなどへの電気の小売りが自由化されることにより、発電と小売り完全自由化ということになります。

電気を選んで買う時代

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2016年4月以降は新しい時代にはいります。
一般の人も多くの新規参入業者の提案するプランの中から自分に合ったプランを選んで電気を買うことになるのです。

自由化はいい面も悪い面もあります。自分に合ったプランを選べる分、電気料金が今よりも安くなる可能性があります。
原発ゼロの電気を選んで買うというようなこともできます。

一方で、複雑な料金プランは把握するだけでも困難を極めます。
2020年までは今の業者で同じプランを継続することも可能ですが、それ以降どうなるかはまだ明確に提示されていません。

また、使うほど割引が増えるといったプランも多く提案されており、節電意識が希薄になるのではないかという懸念もあります。

気になる電気自由化の今後

今後はどう変わっていくのでしょうか。
これから自由化は最終段階に入ります。

2020年には最後に残った発送電線部門が切り離されることが、すでに決定されています。これが完了すると、電気業界はすべての部門で完全自由化されることになり、電気は国の管理下を離れます。

それまである程度管理されていた電気料金は、需要と供給の間で決められることになり、今のところ料金が上がるのか下がるのかは確定されていません。

適正な業者間の競争が行われるのか、消費者にやさしい料金体系は作られるのか、環境問題はクリアできるのか。今後の動向に目が離せません。