発電所は、水力をはじめ火力、自然エネルギーの風力、太陽光などから電気を作り出すところです。ここでつくられた電気は、変電所で数十万ボルト(27.5万ボルトから50万ボルト)の電圧に変換されます。
発電所から変電所へ
これは、高電圧にすることで、電気を送電する時のロスを少なくできるからです。
このように発電所でつくられた電気を数十万ボルトの高電圧に変換した後は送電網へと送られます。
送電網によって、消費地の近くまで運ばれた数十万ボルトの電気は、超高圧変電所というところで、約15万ボルトまで電圧を下げられます。次に、1次変電所というところで、さらに約6万ボルトまで電圧を下げます。
この約15万ボルトあるいは約6万ボルトに下げられた電気は、鉄道や大規模な工場などへ送られて、それら事業者の持つ変電所で電圧を調節してから配電されます。
ただ、この段階で使われる電気は発電された一部で、残りは、中間変電所へ送られます。
中間発電所の仕事
中間変電所は、さらに低い約2万ボルトまで電圧を下げるところです。
この段階でも規模の大きい工場などへ送られ、そこの変電所で電圧を調整して配電されます。しかし、依然として発電された電気の多くは、次の段階へとすすみます。
中間変電所で約2万ボルトに下げられた電気は、配電変電所へ送電されます。
ここは、6600ボルトまで電圧を下げるところで、よくみかける電柱にはられている電線には、この6600ボルトの電気が流れています。
そこから家庭などで使う100ボルトあるいは200ボルトの電気に変換するのは、電柱に備え付けられている変圧器です。そして、ここから家庭へ配電されます。
発電所から送電され各家庭へ
ところで、発電所でつくられる電気は、電圧と電流が一定のプラスとマイナス間を行き来している電気(交流)です。そして、1秒間に何回行き来するのか数字であらわしたのが周波数です。
日本はざっくりいいますと、関東以北の周波数が50Hz(1秒間に50回行き来する)で、中部以西が60Hzと違っています。このため、50Hzと60Hzの電気をお互い融通するために電気の周波数を変換する施設(周波数変換所)。が長野県と静岡県に計3つあります。
また、電気は使われ方によって、交流の電圧と電流の行き来の具合(位相)がずれることがあります。このような(位相の)ずれがありますと、電力のロスとなりますので、これを解消するために送電網の各所に調相施設が設けられています。
以上が発電所でつくられた電気が送電されて、幾つかの段階を経て家庭に配電されるまでの仕組みです。