電力自由化の話題で耳にするようになった資源エネルギー庁ってご存知ですか?

資源エネルギー庁は、新電力会社が事業展開する際に大きな役割を担いますが、いわゆる新電力会社ではありません。

資源エネルギー庁とは

経済産業省の外局に位置づけられているのが資源エネルギー庁であり、主に国民生活と産業運営に関わる石油・電力・ガスなどの既存のエネルギーや、火力・水力・原子力・太陽光・風力などの電力事業を所管しています。
そのため、新電力会社が事業を始めるさいには、資源エネルギー庁へ届け出することが義務付けられているのです。

資源エネルギー庁の役割は届け出を受け登録し、発受電月報を公表することで質の高い新電力会社の参入を促進することです。
資源エネルギー庁の登録ができれば一般家庭やスーパーや工場などの法人需要家と契約し電力を販売できるようになります。

期待すること

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資源ネルギー庁が新電力会社に期待することは3つあります。

一つは、ほぼ独占されている東京電力や関西電力などの既存電力会社と競争を促し、需要家に応じた料金メニューの選択が可能になることです。

二つは、電力需要や住宅工場設備、業種や事業形態、ライフスタイルに基づいた料金メニューにより、消費者に合わせた電力供給サービスを選べるようになり、結果として電気料金が低下しコスト削減を目指します。

三つは、電力消費の多い夏の昼間などの電力料金を大きく引き上げ、他の時間帯の料金を下げることでピーク時の発電量を抑えるピークシフトにより、ピーク時に合わせた電力設備投資を削減する、いわば、需要家発の節電や環境意識を活用した料金メニューを生み出すことです。

これに加えて、先に上げた三つのサービスを提供する事業者の新規参入を促しており、主に天然ガスや石炭火力発電事業者や生成可能エネルギー事業者、地産地消型の発電事業者などが対象になります。

電力小売としては、ネット通信やスマホやケーブルテレビ、あるいはプロパンガスや新築住宅とセット販売することで、消費者目線にたったサービスの提供が期待されています。

消費者保護対策

また、資源エネルギー庁は、消費者保護のための対策も行います。
料金などの契約条件の説明義務、書面交付義務、苦情や問い合わせを適切に処理する義務、事業休廃止時の周知義務を徹底させます。

これ以外にも、設立された電力・ガス取引監視等委員会が各事業者の取引を監視し、問題があれば勧告したり、罰則の適用や登録取り消しを行うため、悪質業者の業務改善命令をだせる国に対して意見する権限があります。

資源エネルギー庁は新電力の一つではありません。
しかし、電力自由化により、新規参入と安定した電力供給を両立させ、新しい料金メニューやサービスを生み出すために重要な役割を担っています。