全国的に行われる電力自由化によって、影響を受けるのは既存のインフラ企業ですが、東京ガスも例外ではない企業といえます。
企業の特徴は関東圏を中心としたガス会社で、電力自由化前は電力事業とは無縁でしたが、これからは電力市場を舞台とした多彩な競争に飲み込まれる事になります。
東京ガスが受ける第一の影響は価格競争です。
電力自由化が施行される事で、今までの電力会社のバランスは変わり、新規に参入する企業に電力供給の機会が与えられます。
東京ガスもその内の一社で、ガス事業自体が受ける影響は限定的と考えがちですが、主力商品のガスに電力を合わせれば、新しい商品として競争力が生まれます。
また、競争力を持った商品は、必然的に価格競争に巻き込まれるので、低価格化や料金の引き下げに影響があると思われます。
ガスと電気のセット販売が東京ガスの強みです。
元々ガスの取り扱いが得意なので、電力自由化の話が登場した事によって、新事業への参入と新商品の開発チャンスが手に入っています。
商品やサービスのセット販売は、必ずしも既存の企業の特権ではありませんが、シェアの多い主力商品を持っている事は事実なので、更なるシェアの拡大と利益追求の切っ掛けになり得ます。
強みがある企業は、電力自由化の荒波が発生しても、生き残ったり利益を高められる可能性があります。
自由化で起こる変化とは、固定された市場がシャッフルされる状況で、市場が混乱するからこそ企業の実力が発揮される機会になります。
東京ガスにとって電力自由化はチャンスです。
エネルギー供給行うインフラは、エネルギーの転用が容易で、発電や電力事業とも相性が良いと評価出来ます。
サービスを受けている顧客にとっては、企業が受ける影響が心配になるものですが、影響を好意的に捉える事が出来れば、これまでにはなかったチャンスに変わります。
消費者としては、価格が引き下げられる可能性に加えて、他の商品と組み合わせて選ぶ事により、経済的な恩恵がより一層強まる余地があります。
乗り換えに悩んでいる場合は、市場が落ち着いてから判断しても遅くはないので、まずは市場の動向に静観を行い、他社と比較して検討する事がおすすめになります。
エネルギーを提供する企業の多くは、シェアを失うリスクもありますが、少なくても静観する多数の消費者によって、当面はシェアのバランスが大きく変わらないと考えられます。
電力自由化を生き残る条件の一つは、安定したインフラを持っている点ですが、東京ガスはこの条件をクリアしているので、後は電力自由化の波に上手く乗る事が最重要課題です。